web拍手 年末読んだ本の中で面白かったものが2冊あります。うち1冊は、エコノミスト滅多切りといったもので、読んでいて溜飲が下がる(特に竹中平蔵については)のですが、今日はもう1冊についての紹介です。消費税をどうするか―再分配と負担の視点から (岩波新書)(2009/09)小此木 潔商品詳細を見る筆者は現在朝日新聞の東京本社論説副主幹の立場におられる方です。サブタイトルにあるように、未曾有の危機の克服策を考える上で、セーフテ..."> 「消費税をどうするか」を読んで 好日亭日乗
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年末読んだ本の中で面白かったものが2冊あります。

うち1冊は、エコノミスト滅多切りといったもので、読んでいて溜飲が下がる(特に竹中平蔵については)のですが、
今日はもう1冊についての紹介です。

消費税をどうするか―再分配と負担の視点から (岩波新書)消費税をどうするか―再分配と負担の視点から (岩波新書)
(2009/09)
小此木 潔

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筆者は現在朝日新聞の東京本社論説副主幹の立場におられる方です。
サブタイトルにあるように、

未曾有の危機の克服策を考える上で、セーフティーネットを強化するための財源として消費税の問題は避けて通れないと考えた。もはや、財政赤字の削減を最優先するあまり経済成長や社会の安定を損なうような財政再建論や、「政府は小さければ小さいほど良い」「税金は安ければ安いほどよい」といった見地から財政改革を語ることは妥当ではない。むしろ「危機を超えるための改革」の一環として、社会安全網と所得再分配の強化のために負担と給付のあり方を工夫し、消費税の機能もそれに合わせて変えるという道を模索すべきではないか
(本書「はじめに」より抜粋)


本書は積極的に消費税増税の可能性を論じると共に、その増税の性質はセーフティーネットを強化し所得再分配を目指すものであるべきだと主張されておられます。
特に、教育と福祉に力を入れよという同氏の主張は、結果として経済社会の担い手である国民の活力と能力を向上させ、結果として経済が成長するということから非常に納得感があるものです。

中曽根政権下での「中曽根民活」以降、常に消費税は議論されていましたが、それは専ら経団連のいう「金持ちや企業の減税をしなければ資産が日本から逃げていく」、「租税の直間比率を是正しなければサラリーマンの不満が解消されない」という主張に添うものであり、実際消費税導入や税率アップは所得税減税や所得税の累進課税の緩和・法人税減税とセットになって実施されました。
所得税は累進制があるが故に、所得再分配すなわち「右のポケットのお金を左のポケットに移す」機能があったのですが結果としてその性質が弱くなっています。
また、減税を先行させ、バブルの時代の竹下内閣では「ふるさと創生金」と称してバラマキを実施してしまったため、結果として財政の悪化を招くこととなりました。その後の不況下で赤字が拡大していったことはいうまでもありません。そして「いざなぎ景気を超えた」と喧伝された小泉政権下の好況下においても、財政赤字は拡大をしていきました。なぜそんなことになるかというと、高所得者及び企業減税を行い労働者の派遣の自由化を推進した結果、企業や高額所得者のストックは増大しましたが、それ以外の人々の収入は減少し、所謂「デフレ」を招いてしまったからに他なりません。そしてその悪影響を受けたのは、福祉を代表とする公共サービスの削減でした。

同書によれば財政学者の神野直彦氏によると、少し前まで自民党内で対立しているとされていた「均衡財政派」、「上げ潮派」、「消費税増税派」はすべて新自由主義のドグマ(教義)の限界を抱えているといいます。なぜ増税を主張する「消費税増税派」まで新自由主義なのかといえば、均衡財政派ともども消費税増税派も公共サービスの増加は認めない。つまり、「小さな政府」志向であり、公共サービスの「充実」より「削減」を前提につじつまを合わせようとしているからであるとのことです。
そしてそれらの政策は一貫して経団連の支持のもとになされました。

思うに経団連という団体は営利団体たる企業のトップ集団によって構成されている集団であり、この団体の究極の目的は傘下の企業の収益の増大であり、その性質は米国議会で名高いロビイストなんだと思います。
彼らは、消費者たる国民の生活が困窮しようがどうしようが、株主の利益に貢献できれば自分の身だけは安泰なのであって、彼らが主張するような「金持ちや企業の減税をしなければ資産が日本から逃げていく」ということは無いでしょう。むしろ下請け企業がさらなる安価な労働力を求めて中国やベトナムに移転を模索するのでしょうが、そのような企業が例えば中国のように朝令暮改の法運用をするような国のリスクに耐えうるとも到底思えませんし。

よって、私は経団連が主張するようなさらなる企業減税をした上で、消費税増税ということには断固反対です。
消費税増税自体はいずれやむをえないとしても、イギリスやフィンランドのように、一定の商品については低率もしくは非課税として、さらに応能負担を求めるものでなければならないと思います。
そういうと、「お前は努力をした人間が報われない社会を作りたいのか!!」といわれそうですが、単に投資をして儲けたことのどこに努力があるのか?金持ちの先祖を相続してそれを他人様に運用を任せていることのどこに汗があるのか?ということです。所得税の高額所得者への税率アップが問題なら、金融商品や資産への大幅な課税をすればいいのではないかと思います。そこまで納得感のあるものであれば、消費税増税はやむを得ないと思います。

(追記)
ここまで書いた時点で藤井財務大臣が辞任し、公認に菅直人副総理がなった模様です
藤井財務相の辞任了承、後任に菅副総理 鳩山首相発表(asahi.com)
藤井氏は財務相の希望する財政均衡主義者であった模様であり、現在の日本の危機にはふさわしくない大臣でした。
先日、竹中平蔵と大激論をした菅副総理が兼任することは非常に好ましいと思います。

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Author:kodebuya
関西出身のkodebuyaです。
心と体を鍛えてかっこいいオヤジになりたいです。
ラーメンと犬が好きです。


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