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財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)
(2007/06)
神野 直彦

商品詳細を見る

「岩波ジュニア新書」という性質上、専門家や研究者のために書かれたものではないのですが、逆に語り口は極めて平易ですのでとっつきやすい入門書といえます。
とはいえ中高生あたりが読むには少々難しいなと思ったのは、対象としている年齢の人たちは実際に税金を支払っているわけでもなく、選挙権を有しているわけではないからです。
むしろ大人が再度財政について考えてみたいと思ったときに、まずそのとっつきに読むとよいのではないかなと思います。
なお神野直彦氏は現在関西学院大学教授で、民主党・社民党の経済政策に影響を与えていると言われている人物です。

この本からいくつかなるほどと思ったことを抜粋して要点を書きとどめておきたいと思います。なんといっても財政赤字についてです。

(箇条書きと抜粋はは当ブログが行いました。実際の記述とは異なります)
1.だれから借金をしているのだろう=国民から国債という形で借金している。外国その国債は内国債のみであり外国債は発行していない。よって国家破産という事態は起こりえない。国債がいよいよ償還できないとなれば、償還と同時にその国債に対し100%の財産税をかければ全ての国債はちゃらにできる。戦後すぐの日本は国債が償還できない事態に陥ったが、インフレと、この財産税で一気に国債を償還してしまった。

2.借金をしていることで何が問題なのか=
A)現在の日本は予算の4分の1という巨額な金額を借金返しに使っている。財政の使命は国民の生活を支えたり、国民の経済を出していくことであるが、借金返しによって本来の財政の仕事ができなくなってしまう。
B)また、借金返しとは、結果として国債を大量に保有する金持ちを、結果として優遇することになり、財政のもう一つの使命である、所得再分配ができなくなってしまう。現在議論されている財政均衡化のための消費税増税は消費税の負担の逆進性から、貧しい人のポケットからお金を取り、金持ちに分配するという逆再分配現象が発生してしまう危険性がある。

3.借金増にどう対処するか=
A)借金を増やさない。
B)利払いだけをする(利率が低いため負担が小さくて済む)。
C)国民生活に必要な公共サービスを出すという財政の任務を果たす。
D)逆再分配が起こらないよう、税金の構造を適切に改造していく(所得税の累進課税強化や現在の分離課税の廃止など応能負担を進める)
E)インフレや金利上昇が起こらないよう、国債を適切に管理する。具体的には日銀などの金融政策を間違わずに管理する。

4.国の借金と地方自治体の借金=国の借金は内国債なので心配はないが、地方自治体の借金(=地方債)はその地域外の人々(例えば銀行)からも借金をしており、国と同様の方法での借金の帳消しはできない。
国の借金は国が管理・運営する日銀を使い、金利政策などで適切に管理することができるが、地方自治体は中央銀行の金融政策にアクセスすることができないことから適切に管理することができない。
さらに地域外の人々から借財をしていることより負担は将来世代に本当に転嫁されてしまう。

5.自治体の財政赤字とは何か=国の場合、赤字国債は財政法違反になるが、毎年特例法を作って赤字国債を発行している。これにより決算上の赤字は出ない。地方自治体の場合、法律を変えられないので、赤字地方債を発行することができず、決算上の赤字が出る。これは「会計年度独立の原則」に反し、予算の民主主義の原則にも反する。

6.自主再建か財政再建団体か=決算上の赤字が、道府県では5%、市町村では20%を超えると、財政再建団体になるか自主再建の道を選ぶかのどちらかになる。夕張市は前者で、最低限の公共サービスしかできなくなる。しかし、借金をしておいて、いざ返す段になった時みんなでどこかに逃げて行ってしまう「食い逃げ」をさせないために、地方自治体には借金させない方が良いとされている。神野教授らは、師に当たる鈴木武雄氏の考えに基づき、「地方自治体が共同発行する地方金融公庫(金庫)をつくろう」と主張している。


財政は赤字より黒字の方が望ましいのですが、マスコミの論調ではむしろ財政=家計、企業会計の視点で語られていることが多く(一人あたりの借金が何百万円といった説明がされていますよね)赤字そのものが問題だという議論がなされていますが、本書の赤字が問題なのがその償還によって財政に柔軟性がなくなり、適切なサービスができなくなることだという説明は極めて納得しやすいものだと思います。

非常に示唆に富む本なので、引き続き紹介したいと思います。

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kodebuya

Author:kodebuya
関西出身のkodebuyaです。
心と体を鍛えてかっこいいオヤジになりたいです。
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