web拍手 mixi経由で知った記事です。ニューヨークタイムズの話題論文を全文翻訳ーーロバート・ライシュ「没落した中流階級の再生なしにアメリカ経済は復活しない」 少数の金持ちに依存する経済は弱い(現代ビジネス)同氏は最上位5%に属する高所得層アメリカ人の消費は、いまや全体の37%の割合を占めるとムーディーズ・アナリティックスによる最近の調査結果を紹介してこのように指摘されます。少数者の消費に大きく依存する経済は、にわか..."> ロバート・ライシュ氏の論文に賛成します。 好日亭日乗
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mixi経由で知った記事です。
ニューヨークタイムズの話題論文を全文翻訳ーーロバート・ライシュ「没落した中流階級の再生なしにアメリカ経済は復活しない」 少数の金持ちに依存する経済は弱い(現代ビジネス)

同氏は最上位5%に属する高所得層アメリカ人の消費は、いまや全体の37%の割合を占めるとムーディーズ・アナリティックスによる最近の調査結果を紹介してこのように指摘されます。

少数者の消費に大きく依存する経済は、にわか景気と不況の交替を引き起こしがちでもある。金持ちは貯蓄が好調だと派手に消費し投資もするが、資産価値が急落すると引っ込む。これが時に大荒れの乱高下をみちびく。この点はすでに誰にも耳慣れた話だ。

といい、

この100年を振りかえってみれば、あるパターンが見えてくる。1947年から1977年にいたる偉大なアメリカの繁栄期のように、大金持ちが全体の収益中のより少ない部分を家に持ち帰っていたときには、アメリカ全体は急速に成長し、賃金の中央値が急騰した。好循環が生まれたのだ。かつてなく成長した中流階級は、より多くの商品とサービスを消費する能力があるので、さらに多くのいい職(ジョブス)を生みだし、その結果、需要がかきたてられる。上げ潮は事実すべての船を押し上げたのである。

といいます。
確かに日本でもこれは同様のことであって、「一億総中流」という言葉が何の疑念もなく語られたものでした。
消費性向が高い中間層が需要を喚起し、それが社会全体を成長させたということなのでしょう。「三種の神器」をそろえたい、家を買いたいという大衆の欲望がさらなる重要を喚起し、企業の生産物を消費していったということなのでしょう。

同氏はさらに続けます。

1970年代後半からアメリカの中流階級は弱りはじめた。生産性は上がり経済は拡大しつづけたが賃金は1970年代に入ると横ばいとなった。コンテナ船やサテライト通信、ついにはコンピューターとインターネットといった新技術が、オートメ化を可能にし、海外でもっと(コストを)安くあげて、アメリカ人の職を削りとったせいだ。

 同じ技術は、経営革新や問題解決にその技術を使う人々には、かつてない多額の報酬を与えることとなった。中のある者は製品起業家であり、人気がウナギ登りだったのは金融商品の起業家であった。一流大学やMBA課程の卒業生は、タレントとして重役室やウォールストリートで権力の頂点を極め、その報酬は急騰した。


しかしそのような状態はいつまでも続きませんでした。バブルがはじけたのです。経済危機が始まりました。
この危機に対して日本と同様、アメリカも何の手当もしようとしませんでした。
いや、何もしようとしなかったのは言い過ぎかもしれませんね。金持ちを優遇することでこのそこで格差は拡大していったのでした。

しかし、1970年代末から始まり、その後30年間というもの、ますます熱心に政府がやったことはそれ(中流階級に対する手当:引用者)と全く反対のことであった。規制を撤廃し民営化した。対国家経済比でのインフラ出費をカットし、公的高等教育のコストを家族に転嫁した。セーフティネットはずたずたにされた。(失業者のたった27%にだけ失業保険が適用される)そして企業には組合破りを許し、組合を組織しようとする従業員は脅迫される。労働組合に加入している民間部門の労働者は今、8%以下である。

 もっと一般的に言えば、アメリカの大企業がグローバル企業となり、GPS衛星と同様、アメリカへの忠誠心など持ち合わせなくなる事態を政府は傍観していた。

 その間、最大の所得税率は35%へと半減し、この国の多くの大富豪たちは自分たちの所得を15%以上は課税されないキャピタルゲイン(資本利得)扱いすることが許された。一番頂上の収入層1、5%に課せられる相続税はささやかなものだった。しかし同時に、いずれもあまり大きくはないわれわれの給与のかなりの分量を占めている消費税や給与税は増加した。


これはアメリカと書いていなければ日本と全く同様の事態です。
日本は経団連あたりが主張する「グローバル化」を錦の御旗として、大株主・経営陣優遇の政策を政府に強く求めていったのでした。

「グローバル化」は逆らえないものだったのか?すなわち「グローバル化」は錦の御旗たり得るのか?これらについて同氏はこのように批判します。

グローバリゼーションと技術的変化を逆転することなど、我々にはできないことだったと言う。しかしドイツなど他国の経験は、違うことを示している。この15年間、ドイツの経済成長はアメリカより早く、その利得はもっと広くまかれた。1985年以降、アメリカの平均的時給のインフレ調整後の上昇率がたった6%だったのに対し、ドイツ人労働者の上昇率は30%であった。(中略)

ドイツはそれをどう達成したのか? それは主に、レーザー装置で狙うように教育に焦点を定め(ドイツ人学生の数学の点数はアメリカ人をリードし続けている)、強い労働組合を維持することによってである。

ドイツでは中流階級に保護を与えることで経済成長を果たしたと言うことでしょうか。
人口比に占める割合が高い階層の購買能力を維持向上させることが経済成長の肝だとドイツの事例は示唆しているようです。
その上でこのように同氏はいいます。

多分、アメリカの中流階級の巨大な購買力を復興する戦略なしにアメリカ経済は現在の沈滞から抜け出せない。上位5%の大富豪たちだけの消費では、雇用機会を増やし生活水準を上げる好循環をもたらすことはできない。そのギャップを埋めるために輸出に頼ることもできない。アメリカを含めた経済大国が、(輸入額より輸出額が多い)純輸出国になることは不可能なことである。

ここは私が一番納得したところで、経団連に限らずすべての国が純輸出国になるとはどういうことなのかといえば帝国主義の復活であって、これが実現不可能は明らかなことでしょう。輸出するにしても一方では輸入もせねばならずそれを支えるのが内需なのではないでしょうか。

同氏は次のように提言します。

中流階級の復興のためには、何十年にもわたった格差拡大の傾向をわれわれが逆転させる必要がある。経営幹部階層がもつ政治的パワーにもかかわらず、これは可能である。非常に多くの人々が職を失い、収入を下落させ、住宅価値の減退に遭遇している今、アメリカ人は結集することができる。

 さらに経済は(あるプレーヤーの利益が増せば、その分だけ他のプレーヤーの損失が増える)ゼロサム・ゲームではない。経営幹部階層であっても、これまでのトレンドを逆転させることが自己利益であると十分に理解している。

 すなわち、上げ潮がすべての船(ボート)を水に浮かべるのに、引き潮は(富裕層が持つ)多くのヨットをも浜に乗り上げさせかねないのだ。問題は果たしていつ自らの政治的な意志を呼び出すのか、ということだ。かつてわれわれは、もっと荒涼たる時代にあってもそれを奮い起こしたものである。

 歴史家のジェームス T.アダムスが、大恐慌の深淵のさなかに作り出した「アメリカの夢」の定義のように、我々が求めるのは「誰にとっての人生も、より良く、より豊かで、より充実している国」なのである。

 その夢はいまだにわれわれの手の届く範囲にある。


日本でもこれ以上の格差拡大を押さえ、やせ細った中流階級を太くしなければ経済の成長はないし、経済の成長がなければ震災復興なんておぼつかないでしょう。
野田政権の復興増税自体はやむを得ないものですし否定はしませんが、そこに欠けているのは富豪・企業など強者に対する負担を求める姿がないことです。民主党は所得税の増税額を少しでも引き下げるべく、相続税の課税強化を打ち出しているようですが、本来ならば所得の累進課税を強化し、キャピタルゲインにも課税し、相続税の累進課税を強化し、企業減税の「一時」中止ではなく企業増税を打ち出すことです。所得をきちんと再分配することが復興を早める近道です。
消費税増税なんぞはそれらを行った上で議論すべき話であって、マスコミが言いたそうにしている、消費税増税をメインの柱にする復興税なんぞは論外の一言です。
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Author:kodebuya
関西出身のkodebuyaです。
心と体を鍛えてかっこいいオヤジになりたいです。
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