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昨日、興味があった野中広務・辛淑玉著「差別と日本人」(角川ONEテーマ21新書)を購入し、本日読み切りました。
差別問題を語ることは、自分自身が被差別者というよりも差別する側により近かったこともあり、軽々に語ることができない問題だと思っています。
本の最後に掲載されている詩を読むと、胸を締め付けられる想いはしますが、どうしても実感として感じることが難しいのが正直な気持ちです。

この本は、被差別部落出身であり、かっては自民党の幹事長を務めた野中広務氏と在日朝鮮人である辛淑玉氏の対談であり、その対談の途中途中で辛淑玉氏が詳細な解説・コメントをつけているものです。
その中で野中氏は麻生太郎が、(2001年)3月12日の大勇会の会合で「野中やらAやらBやらは部落の人間だ。だからあんなのが総理になってどうするんだい。ワッハッハッハ」と笑っていたと書かれた手紙を受け取り、その後の自民党の総会で麻生太郎を厳しく非難します。

この発言だけではなく過去より麻生氏は朝鮮人の「創氏改名」は日本による強制ではなかった、だの「アルツハイマー発言」だの差別的な言葉をまき散らすのですが、麻生氏の本質を露わにする、きわめて恐ろしい一言だと思います。
そしてなによりも恐ろしいのはこのような人権意識が全くない発言をする人物が日本国のリーダーとして約1年間君臨していたことです。
あんなのが総理になってどうするんだい。ワッハッハッハと笑われるべきなのは麻生氏の方でしょう。

所謂麻生財閥は、強制徴用した朝鮮人や、太平洋戦争中は捕虜の強制労働という、きわめて廉価な労働力によって大きくなった財閥であり、その御曹司である「銀の匙を口にくわえて」生まれてきた太郎氏には、自分と自分の周囲以外の人間は自分に仕える「下々のもの」という認識しかないのでしょう。高貴な者が高貴な仕事をする。出自が卑しい者はそれ相応の仕事しかしてはいけないのだという、選民思想が生まれながらに身についているのでしょう。
なので、麻生政権下ですったもんだがあった定額給付金は麻生氏にしてみれば「下々に配ってあげるのになぜそんなに反発があるのか?」と最後まで理解できなかったに違いありません。
それは単にバラマキを批判しているのではなく、一般人が麻生氏の「恵んでやっている」という心裏を敏感に察知したからではないのかと思います。

とはいえ野中氏にも限界があり、あれほど差別発言を繰り返した石原慎太郎については「あれはいい男だ」と一定の評価を与えていることで、麻生氏が悪くて、なぜ石原氏はよいのかという辛氏の質問に明確に答えることができませんでした。
これが自民党政治家として、また、調整政治家として活躍していた野中広務という人間の限界を感じてしまいます。
もしくは石原は朝鮮人・中国人・身体障害者・女性への差別的発言をしていったが、それに比べ被差別部落の問題についての問題発言は少なかったことが野中氏の高評価につながっているのでしょうか?もしそうなのだとすれば差別される側の連帯は難しいということなのでしょうか?

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kodebuya

Author:kodebuya
関西出身のkodebuyaです。
心と体を鍛えてかっこいいオヤジになりたいです。
ラーメンと犬が好きです。


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